■紀州みなべの話と紀州梅香の取り組み


01みなべ町が直面している課題

南高梅の発祥地である紀州みなべでは、南高梅がまさに経済の中心を担っていますが、近年それが少しずつ崩れつつあり町が衰退し始めています。その主な原因の多くは下記3つと考えています。

・消費者の減少と価格下落
・南高梅頼りの生産者が多い
・少子高齢化、及び後継者不足

紀州梅香はこれらの問題を足もとから解決していくために、まずは生産者側から紀州みなべの南高梅と言う地域ブランドの維持と成長を経済的に押し上げていくために、栽培から加工、販売まで手がける農業生産法人として歩むことを始めました。
02地域の名前を含んだ自社農園ブランドを生み出す
自社農園にて育てた南高梅をJAや地元の加工メーカー様に卸すのではなく、自社において加工、及び販売することによって自社農園をブランディングしながら利益を上げる事に取り組んでいます。これによって、どの地域でどのように栽培し、どういった原料で加工されたかを消費者に知らせる事ができ、「紀州梅香にしかない特性」あるいは「素材の本来の味」を売り出すことを可能としました。
また、一部の商品ラベルには南高梅発祥の地である「みなべ」を使用しており、それは生産者側にてふるさとのブランディングができるようになった事であり、できる限りこれは続けようと考えています。
03自社デザインによる地域ブランディング
食、味は美味しくないと当然リピートはされませんが、最初の普及に関しては、見た目における重要性も軽視できるものではありません。そこで当農園は社内だけでなく実際の販売の現場でもデータを取るなどして、美しさだけでなく伝え方にも注視してデザインしていくことが最も効率的かつ重要だと考え、デザインに関する業務の8割は「外注」するのではなく「自社」で完結させるよう努めています。もちろん、自社のセンスでは描けなかったり、作れない場合は積極的にその道のプロに相談するように心がけています。また、デザインやブランディングに対する知識や技術向上のため有名デザイナーの講義やワークショップに積極的に出席しています。

04循環型農業 ~畑、木にも優しさを~
紀州梅香では、一般的に剪定後に廃棄される剪定枝を細かく粉砕し、用途分けしながら梅に戻す循環型農業を実践しています。
05農薬と添加物の取り扱い ~生産者が食べられるものを~
「今年から劇物です、今年から散布後の禁止収穫期間が倍の28日になります、この薬品は散布翌日から収穫しても良くなりました」
農薬の使用基準は頻繁に変わっています。散布後翌日から収穫が可能とされる農薬を使用した作物については、紀州梅香のスタッフ達は誰も食べたいとは言いません。私達は決して農薬を否定しているわけではありませんが「私達が進んで食べられないものを提供すべきではない」との思いから、全ての園地において一切の除草剤を使用をしておりません。また、農薬を一切使用しない園地と、使用園地においても和歌山県の参考基準値から7割以上削減しながら生産をしております。

また、紀州梅香では漬込み前の塩素洗浄も禁止しております。
これは収穫後直後の梅を選果前に30分程、次亜塩素酸に漬けた梅です。これは梅の表面を削ることによって、くすみを無くし買取価格を上げるためです。なお、塩素洗浄後は選果しながら水洗浄をするのが一般的ですが、その水洗浄は本来、塩素を落とすためにされているものではなく、梅についたゴミを簡易的に落とすための作業であるため、私どもは塩素を落とす事については不十分だと考え使用を禁止しております。

05里と農の再生を ~生態系、蜜蜂との共存から~
紀州梅香では全園地において次の農薬の全面使用禁止を決定しました。
「全ての除草剤、有機リン農薬、2013~14年にEU、韓国、カナダ等で散布禁止となった3種類のネオニコチノイド系農薬、クロチアニジン/イミダクロプリド/チアメトキサム」
除草剤は土をひ弱にし生態系を破壊するという理由で停止し「クロチアニジン/イミダクロプリド/チアメトキサム」は果実の受粉の仲介役をするミツバチを可能な範囲で守るために使用を停止しました。
05耕作放棄地の再生 ~里山の風景を守る~
近年農山村では優れた素材を生み出す農地が耕作放棄地化し、国としての問題となっています。里に生かされている私たちは、日本の美しい里の風景を残すため、耕作放棄地化された田んぼや畑を新しい方法にて有効活用する取り組みを始めています。
現在進めているのはライム、フィンガーライム、ブラッドオレンジを始めとする柑橘類からアボカド等多岐にわたります。これらが軌道に乗れば、一部の南高梅の代わり、あるいは裏作として、他の農家さんにも提案していけるのではと考えています。
また、今後は町の資産価値を向上できるような農村に適した建築や建築素材の導入、庭の整備なども考えながら少しずつランドスケープを大切にする視点を持ちながら進んでいきたいと考えております。

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