2015.12.17

祝!世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」

南高梅を生み出した我が町「みなべ町」と隣接している「田辺市」の一部が「みなべ・田辺の梅システム」として世界農業遺産に認定されました。難しいかなぁと思ってましたが、色んな人が尽力した結果ですね。父、母ともに喜んでいるに違いないはずです。

今後どの程度の広告効果が生み出されるかは分かりませんが、テレビ放送等が増えればうちは「みなべ町」という広告をいかせます。うちの商品ラベルの一番上には「みなべ」と入ってるので分かりやすいはずですよ、そこのお客様!ってすいません・・・

ところで、この世界農業遺産の認定に際して重要視された項目の中に里山とそこに生息する多種多様な生態系、そして梅農業との共生がありました。

ここからは紀州梅香農園の自慢を含みますがお許しを。

生物多様性と梅と言えばまず大切なのがミツバチです。
ミツバチが梅の受粉を助けるのでミツバチとの共存なくして梅は育ちません。そんなミツバチが作るあま~い蜂蜜が使われる「はちみつ梅干し」。しかし、ほどんとの梅干しで使われている蜂蜜は中国産じゃないでしょうか。

しかしうちの梅干しでは国産で佐賀県産が使われています!和歌山じゃなくてすいません・・・
来年からは地元に変更予定です!
と言いますのも今年の春から蜜蜂達と一緒に暮らし始めたんですよね。しかも貴重な日本蜜蜂で可愛いんですよこれがまた。

ちなみに受粉シーズンの2月、世界農業遺産に登録されたこの一体には西洋ミツバチがあふれます。ただ、ほぼ全てがレンタルなんですよね・・・なので3月中頃には消えます・・・
そんな愛されるミツバチ達との共生はとっても大切なので、紀州梅香では農薬を使う園地においても彼らを少しでも守るためにと農薬を選んでいます。
例えばフランス、ドイツ、オランダ、イタリアを始めとするEUだけでなく、お隣の韓国でも禁止され出したクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムを含む農薬は一切使っていません。この3種類の成分はミツバチを大量に殺傷すると言われてるんですよね。

除草剤については全園地で使っていませんのでたくさんの生物が紀州梅香の農園で暮らしています。農薬を減らしてすぐに分かったことは蜘蛛の巣が増えた事ですね。結構厄介です。。特に無農薬園地はすごいです(笑 それと鈴虫やコオロギ等が明らかに増えたと分かります。秋は毎日がその日限りのオーケストラです。
というわけで生物との共生という面では紀州梅香はかなり貢献しているように思います。

また、世界農業遺産認定においては循環農法というのも評価ポイントとなったようです。
調査・評価対象になったのは剪定枝の再利用です。通常、剪定枝は全て焼かれるんですよね。その剪定枝を細かくチップ化した後、しばらく寝かせてから畑に戻すのが循環農法の1つです。これ凄いです。何がってカブトムシがたくさん来ます(笑 幼虫、さなぎが出てきます(笑 ただ、導入している農園はほとんど見ません・・・が、うちはやっています!

来年はその剪定枝を使って布を染める企画を予定しています。
そして「南高梅の枝で染めた布で包まれた梅干しの贈答品を作る」これが来年の目標の1つです。若くて綺麗なその道のプロが来ますので興味のある方はぜひご一報を!
一緒に梅染めしちゃいましょう!!

最後に、
現実的には今回の世界農業遺産認定で梅産業の経済的問題が解消されることはありえず、まだまだ前途多難と言える時代が続くと思います。これを機会に今の産業をもう一度見つめ直し、しっかり先を見極めてどう生きていくかを、うちもそうですが、町もしっかり考えて行くべきではないでしょうか。

頑張らねばです。

ついでに記念としてリンクを張っておきます。
国際連合食糧農業機関(FAO)
Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
Sustainable farming systems in Bangladesh and Japan receive global recognition.
theMinabe-Tanabe Ume approach to growing apricots on nutrient-poor slopes in Wakayama
本日ではスライドの1枚目から飛べます。
http://www.fao.org/home/en/
http://www.fao.org/news/story/en/item/358447/icode/

世界農業遺産 みなべ・田辺市、紀伊民法1面

世界農業遺産 みなべ・田辺の梅システム (紀伊民報:1面)

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