2014.09.29

みなべ町堺、海と山の可能性

9月12日の紀伊民法の1面に
「和歌山県内の漁業就業者が過去最少」との見出しがあった。
この50年で3分の1になっているようだ。

紀州梅香の構えるみなべ町堺は漁師町でもある。
港もそこそこ大きく、計算してみると東京ドーム4個分位になる。
なんと大きい。

ただ、漁獲高の減少や原油高の影響により
経済的にはかなり厳しいというのはそこに住む私自身肌で感じている。
未来を見るのは少々厳しいように思える。
もし、魚を捕って売ることだけを考えればだが。

今、みなべ町と田辺市の一部(みなべよりの一部の土地)が世界遺産登録に向けた調査を受けている。
地理的に言えば堺はその両者の中心辺りに位置する。

海と山の町。
そう考えると資源は豊富だ。

今回の世界農業遺産に関しては梅が中心だが、
本質は梅生産システム(経済)と周辺環境にあると考えるのが妥当ではないかなと。
周辺環境には海を見渡す風景が含まれても不思議ではないはずだ。
例えそれが具体的な点数にならないとしても審査員の心に残すものは大きいはずだ。

堺には潜在能力がある。
投資や開発方法、住民意識が変わればこの土地は変われる。
山と梅、海(港)と魚が揃っている。
この環境を持つ土地は限られている。
この資産は特別的な価値がありまさにプレミアムなタウンだ。

ただ、人を受け入れられる美しい町創りや、そにれ繋がる意識を個々が持たないと、そこはただの弱々しい廃れた田舎町でしかない。
そんな町に人は集まってくるのだろうか。人の定着はあるのだろうか。

少し極論になるが町を家に例えると、
もし家の中が無法地帯になり廊下にもなんでも置かれる、あるいは捨てられるようになると、人はそれに慣れ家はますます汚れる。
美しさの基準がどんどん下がり悪循環に陥る。
そんな家には嫁も来たがらないだろう。
なんて言うと僕自身の耳が痛くなるが。。
残念ながらそれに近い状況が田舎では発生しつつある。

海の資源、風景を活用すればこの町は大きく変われるはずなだけにもったいない。

さらに言うならこの日本の海岸は約3万5千キロ。
3万5千キロも海を借景として活用ができる国だ。
さらには大海原を望める山もすぐそばにある。

ちょっと逸れた表現かも知れないが、両手に花だ。
ただ、活用しない限り、前門の虎、後方の狼になってしまう。

少しずつでも種を巻いていかないとだ。

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